株式会社WIzはなぜ6年で売上100億円を超える企業に成長したのか【前編】

2012年に設立され、従業員数は900名、売上は100億超えを6期で果たした株式会社WIz

今日のブログでは、「通信コールセンターの会社」だったWIzがなぜこのような急速な成長を果たせたかを考察していくこととする。

6期目、記念インフォグラフィック

http://012grp.co.jp/wizcolor/infographic.html


基本収益モデル

通信会社の基本収益は、

売上=単価×獲得件数

獲得件数=稼働人数×決定率

当たり前といえば、当たり前ですが、どの営業会社も全てこのKPIを使用しており、営業は基本的にはスケラビリティーが作りづらいビジネスモデルである。その中で、ここまでの成長スピードで会社を伸ばしたのか。(営業は稼働人数が売上にダイレクトに響くため、成長スピードは通常ここまで伸びづらい)


①単価・決定率の向上

②稼働人数の獲得

営業を基軸とする企業の命題である①②をどのように突破してきたのか。


前編では、①について言及し、

後編では、②について言及する。


「ネットが苦手・知識がない人たちに、営業力を用いて、必要とされる商品を届ける」

上記が、筆者が分析の結果出てきた同社を一言でをまとめた言葉である。


そもそも、現状の日本において購買行動をネットに頼って購入する層ではなく、ネットを使用せずに購買をする人口もかなり多い。そのターゲットに対して、営業で届ける。

現状の「今っぽい」企業が狙っているターゲットと全く違う層をターゲットと置くため、

競合は、単純な営業会社とである。

営業会社の多くは、とにかく根性よりの戦略の会社が占める中で、クリエイティブな営業会社の参入はブルーオーシャンでとしかいいようがない。


会社のドライブ順序

「営業力」「採用力」「商品選定力・開発力」の三つの武器が飛び抜けて強い印象を受けた。営業力については、代表である山崎氏の前職経歴(大手通信商社)より、ある程度理解できるが、どのように「採用」については後編。「商品選定力・開発力」を内製してきたのかを分析していく。


まず着目するべきは、何をどの手順で、構築してきたか。

①人事部設立

②ストック商材・自社商材確立(自社回線・自社オプション・自社プロバイダー)

③リストの生成(引越メディア)

④コール案件導線確立(コールナビ・コールシェア)

⑤採用レバーの確立(ママ求人・スポーツスポンサー)

同社HP 沿革より抜粋

http://012grp.co.jp/company/corporate_profile.html



①人事部設立

優秀な人を集められる人事部を創業時に設立。通常、営業会社の多くは、人事部の設置は固定費の増加としてみなすケースが多く、軌道に乗ってから設立が多い中。最初段階で人事部を設置している。

人事部により、営業人材の採用の再現性を担保するのが最重要と位置付けての設置は、言われて見たら当たり前だが多くの会社が出来ていない。


②ストック商材・自社商材確立

通信のコールセンターは、基本的には代理店のため、収益は販売によるショット収益に偏る。人事部の次に、ここに着目し、自社回線・自社オプション・自社プロバイダーを開発し、一人あたりの生産性を大きく向上させる(光通信の基本戦略とほぼ同じ)

子会社である株式会社TWELVEがその役目を担い、商品開発

DRIVE
http://drive-net.jp/index.html

光通信決算資料より
http://www.hikari.co.jp/ir/dataroom/date/file/31th/1st_presen.pdf


③リストの生成

人事部設置(人数確保)→自社商材(生産性確保)から次に着手しているのは、

「リスト」である。営業の基本であるリストを、改良することにより、さらに生産性を確保している。

具体的には、引っ越しの比較サイトを運営し、ネット購買意欲の高いユーザーリストを獲得し、電話営業で獲得する形をとっている。

引越し達人(子会社、株式会社グライドが運営)
https://www.hikkoshi-tatsujin.com/

ここからは、筆者の仮説だが、電話営業技術は他の引越しメディアから見ても、かなり欲しい武器である。(引越しメディアは売上(ARPU)と顧客獲得単価(CPA)の差をどれだけか作るかのビジネスだから)そのため、他のメディアとアライアンスを組んで、自社だけでなく引越しユーザーのリストの生成に成功していると考える。


ここまでの①〜③で

採用ノウハウと一人あたりの生産性を大幅に改善されている。

採用が出来て、一人あたりの生産性が高いということは、大量採用・拠点の立ち上げに強気になることが出来る。その下地がここまでの戦略で固まっている。

後編では、どのように支社拠点を立ち上げ、どのような採用戦略を考察する。


おまけ

販売商品の選定基準は

「ストック収益×コールセンター商材×ユーザーの選定力が弱い市場」

継続収益になり、電話で販売出来て、ユーザーが比較検討タイプではない所に一貫している。

個人に対して、通信回線・ウォーターサーバー

飲食に対して、POSレジ
※スマートロック・防犯カメラはどちらに販売しているかはわからず。


営業の質ではなく、営業の”数”で勝負出来る市場選定を一貫してしている。

コールセンターは個人の固定電話を持っている層への営業がメインになり、営業ノウハウ・既存顧客リストはたんまりある。


ここに相性がいい市場のトレンドは「IOT」である。


個人の家・車などに関わるIOT商品を「開発」し、現状の販売網を通じて展開していく戦略でいくのは、かなり濃厚である。

元LIGの岩上氏を社外役員に招いた所を見ると、ここからは開発人材・クリエイティブ人材を強化していき、さらに頑丈な企業になっていくだろう。

「創る」開発体制と「売る」営業力を両立したハイブリッド型の企業になり、営業会社の雄として、活躍していくだろう。

考察は以上!




事業と投資をツラツラ書くノート

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